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パリから東京に戻ってきた謎の女・杏子を描くミステリアスな娯楽作品。

パリで一流ファッション誌のモデルをしている藤島杏子は、最近うまくいっていない恋人の青年画商・福永敬次に別れを告げて東京行のジェット機に乗り込んだ。亡くなった美術家・清宮秀明の功労パーティに参加すると、そこでは清宮の遺児となった美しい令子が、弟子の滝口や前衛彫刻家の金丸やレーサーの生田や大学生の片岡らに囲まれていた。訝しげに見る令子に、杏子はただ故人の知り合いと言うだけだった。杏子の出現は金丸達にはショックだった。杏子の魅力は彼らを圧倒した。杏子は金丸をクラブのデートに誘い出し、その魅力で夢中にさせる。数日後、杏子は謎めいた行動を重ねる。清宮の多額の借金を取り立てようとする金融業者の郷原に近づき、有名な名画が是非欲しいと色仕掛けで頼み込んだ。フラフラになった郷原は、友人の画商・篠の井を抱き込み動き始める。そんな動きを令子は、杏子が父の遺産を乗っ取ろうとしていると思うようになる…。次々と男をその魅力で手玉に取る杏子、令子を取り巻いていた男たちは魅了されて、令子のことを忘れてしまったようだ。そんな折、パリから敬次が帰国した。彼は妹の洋子から、東京に来てからの杏子の不思議な行動を聞いていた…。